三十年住んだ武蔵野の地を離れ、妻とふたりで都心へと居を移した「私」。ゆっくりと確実に変化していく日常と、家族の形。近づいてくる老いと沈殿していく疲れを自覚しながら、相変わらず取材旅行に駆けまわる毎日だ。そんなとき、古い友人の悪い報せが「私」を大きく揺るがせる…。『岳物語』から二十余年。たくさんの出会いと別れとを、静かなまなざしですくいとる椎名的私小説の集大成。
(「BOOK」データベースより)
桜の木が枯れました。
高曇りの下のユーウツ
窓のむこうの洗濯物
東京の白い夜景
冬の椿の山の上
屋上男の見る風景
エルデネ村の狼狩り
アザラシのためのコンサート
波止場食堂のノラ犬たち
雪山の宴。キタキツネの夜。
イイダコの水鉄砲
プンタ・アレーナスの金物屋
(「BOOK」データベースより)